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2007年3月20日付の朝日新聞紙上でも、畳の部屋での学習効果向上の記事が取り上げられました。

下記の抜粋は、業界新聞に取り上げられたときのものです。

文科省が強い関心示す
議連勉強会で「畳のある部屋が成績良い」に

たたみ振興議員連盟(会長・保岡興治衆議院議員)が11月20日、都内で全日本畳事業協同組合(増田勇理事長)を迎えて開いた「勉強会」の席上、増田理事長が挨拶の中で「畳の部屋で勉強すると、成績が良くなる−」などと述べたことに対し、文部科学省が強い興味を示した。
 これは、イナダ有限会社の稲田剛夫社長が「熊本県産農薬不使用栽培藺草を使った畳表の戦略的機能性開発と藺草産地の復興」をテーマに、畳表を使用した部屋と会議室で中学生19人に簡単な算数の問題を解かせて結果を比較した結果、畳のある部屋の方が解答数が高かったというもの。
 北九州市立大学国際環境学部の森田洋助教授は、「このデータは、ご家庭のお子さんの勉強部屋には必ず畳を敷いて欲しい」ということを示しています−と、当時コメントを出している。
解 説
畳部屋の学習機能向上効果
北九州市立大学国際環境工学部助教授
農学博士 森田 洋


 今年2月、熊本県のいやしの会(事務局一イナダ有限会社)のメンバーと共同で、「畳の学習機能に関する研究」を実施した。藺草の作付面積が減少し続け、また畳の需要低下についても大変深刻な状況の中で、消費者に目で見てわかりやすい形で、畳のすばらしい機能性を解明するべきとのことから、本研究を行なうに至った。畳のある部屋と畳のない部屋とで、簡単な算数の問題を解いてもらうという非常にシンプルな研究ではあるが、これにより畳の学習機能向上効果という大きな可能性が見えてきた。現在、畳業界や藺草生産者など様々なところで注目されているこの研究成果について、本紙でやさしく解説したい。 研究に使用した畳表は「いやしの表」(いやしの会、熊本県八代市)を使用した。この畳表は農薬の使用を極力抑え、残留農薬が検出されない安全性の高い表である。被験者は八代市内に在住の中学生(13歳〜14歳)19名を対象とした。
 試験は八代市鏡町にある農村環境改善センターにて行なった。センター内の2部屋を使用し、1部屋(藺草のある部啓には周囲と床にいやし表を敷き詰めた。これに机を入れ、畳に座って試験が実施できるようにした。もう1部屋(藺草のない部屋)には通常の会議室を使用した。ここには机と椅子を入れて、椅子に座って試験が実施できるようにした。
 被験者はグループA〜Dに分けた。グループA及びBはまず、蘭草のない部屋(会議室)で1時間過ごし、その後、簡単な算数の問題を1時間解かせた。算数の問題はAとBの2種類用意し、グループAには問題Aを、グループBには問題Bを解いてもらった。なお問題はそれぞれ234問あり、1時間で解くには内容として多い量としている。また問題Aと問題Bは順番を無作為に入れかえているだけであり、全く同一の問題である。内容は小学生程度の簡単な足し算、引き算がベースである。その後、グループA及びグループBを長のある部屋に移動させ、1時間自由に過ごしてもらい、その後、再び畳部屋で問題A(グループB)と問題B(グループA)を1時間解いてもらった。算数の問題の成績を集計し、Wilcoxonの順位和検定により、畳部屋と畳のない部屋で有意差が認められるか判定した。
 グループC及びDは反対に、藺草のある部屋で1時間自由に過ごしてもらい、その後、小学生レベルの簡単な算数の問題を1時間解かせた。グループCには問題Aを、グループDには問題Bを解いてもらった。その後、グループC及びグループDを畳のない部屋に移動させ、1時間自由に過ごしてもらい、その後、再びその部屋で問題A(グループD)と問題B(グループC)を1時間解いてもらった。算数の問題の成績を集計し、Wilcoxonの順位和検定により、畳部屋と畳のない部屋で有意差が認められるか判定した。


畳の部屋で解いた場合
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解答した問題数 136.5問
正 解 数 107.1問
正 解 率  78.5%
会議室で解いた場合
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解答した問題数 128.5問
正 解 数  98.4問
正 解 率  76.6%


 結果を表【左上】に示す。解答した問題数は畳の部屋と、畳でない部屋とでは有意な差が認められ、畳の部屋で解答したほうが、解答数の増加傾向が認められた。つまり畳の部屋で学習することにより、集中力の持続性が向上する可能性が示唆された。 正解率については、畳の部屋のほうが若干優れた結果に終わった。畳で解いた被験者群は解答数が多かったのにもかかわらず、畳の部屋と畳のない部屋とで、畳部屋のほうが若干正解率の高い結果に終わったことは、畳の部屋における学習機能向上の可能性が示唆された。 そして興味深い結果は、普段畳の部屋で勉強している被験者群、畳のない部屋で勉強している被験者群の2群に分けて、集計をとったものである。普段、畳のある部屋で勉強している被験者が畳の部屋で勉強した場合、解答した問題数が142・4問と最も際立って多く、正答率も最も高かった(78.5%)。この結果から普段、畳の部屋で勉強をしている子供が、畳の部屋で最も集中力が持続する傾向にあることが示唆された。この被験者群が畳のない部屋で問いた場合には、解答数(131.8問)、正解率(76.0%)ともに大幅に減少する傾向が認められた。やはりここでも畳の学習機能向上効果が認められた結果となった。 反対に普段畳のない部屋で勉強している被験者群が、畳のない部屋で問題を解いたときに、最も解答数が少ない結果(125.2問)となった。解答率は77・1%であった。この被験者群が畳の部屋で解いた場合は、解答数(130.5問)や解答率(78・4%)は増加する傾向が認められた。

普段、畳の部屋で勉強している子供(8名)
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畳の部屋で解いた場合  会議室で解いた場合
解答した問題数 142.4問    131.8問
正解数     111.8問    100.2問
正解率      78.5%     76.0%

普段、畳の部屋で勉強していない子供(11名)
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畳の部屋で解いた場合  会議室で解いた場合
解答した問題数 130.5問    125.2問
正解数     102.3問     96.5問
正解率      78.4%     77.1%

 被験者の絶対数が少ないため、詳細な検討が今後必要であるが、畳の集中力持続効果を含む学習機能向上効果について、興味ある知見が得られた。更に信頼性の高いデータにしていくためには数百人規模での実験が必要であることから、今後中学校を中心に、どこか学校ぐるみで研究協力していただけるところがあればご一報いただきたい。
 本研究を通して感じたことであるが、畳のない部屋で算数の問題を解いたとき、解いた後の中学生に大きな疲れが見られたが、畳部屋の場合では解答した後でもそのような疲れは見受けられなかった。この現象は藺草の香りによるものと考えられるが、これについても今後解明を進めていきたい。 このようなすばらしい機能性と可能性をもった畳を、是非とも消費者にPRする材料として、本研究成果が使われれば幸いである。
出展:○○タイムス
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