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幸せのポケット



 畳の原料となるい草は世界中に分布しています。い草は大方の作物と異なり、殆どの植物が枯れる秋の終わりに植え付け、寒い冬にじっくりと地中の根を養い、春暖かくなると同時に一気に茎を伸ばします。他の植物と比べて、とてもたくましい植物です。

 い草の芯はスポンジ状になっており、この芯はゆっくりと時間をかけて燃える性質があるため、昔あんどんやろうそくの芯として利用されていました。そのため、い草のことを「灯芯草」(とうしんそう)とも呼びます。

 よく生育したい草の茎は、スポンジ状の組織(気泡)が発達していて、茎も丸々と肥えています。この気泡は、蜂の巣と同じような六角形の構造をしていてつぶれにくく、また、たくさんの空気をため込むことができます。ここには、い草が数ヶ月をかけて生育する間に、自然のエネルギーをめいっぱいため込んでいるかのようにも思われます。

 い草には、空気中の水分を吸ったり放出したりする働きがありますが、放出するのはとてもゆっくり行われます。これと同じように気泡にため込んでいる自然のエネルギーもゆっくり放出しているのかもしれません。

 つまり、い草の気泡は自然のエネルギーをため込む幸せのポケットなのかもしれません。そのエネルギーをゆっくり放出すると、、、その部屋(和室)は幸せに包まれる。そして、その和室にすむ人たちを幸せにしてくれる。

い草には、そんなすてきな妖精が住んでいるかも知れませんね。

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